29.ただ、身体の苦痛を感じる
体調不良で休職していましたが、そろそろ休職期間が終わる時期になりました。
私としては、とても社会復帰は無理なので、退職するつもりだったのですが、様々な人から、
「まだ、やれる」
「とりあえず、やってみろ」
と背中を押されました。
「無理だよね」と言って欲しかったのですが、
合う人合う人、皆さん、復帰するよう、勧めてくるのです。
特に、職場の人事担当者の方には、
「何で諦めるんだ!最後まで諦めるな!やれるだけやれ!」
と、怒鳴られて、叱咤激励されました。
人事の方に怒鳴られた時には、
「そこまで、私のことを心配して下さっているのだ」
と心を打たれ、感動すら覚えました。
そこで、ダメもとで、職場復帰にチャレンジすることにしました。
復帰の前に、実際に復帰可能かを見極める、テスト期間が数ヶ月あります。
初めは1日おきに数時間の勤務からスタートし、段々と日数と時間を増やしていくのです。
このテスト期間は、まだ休職期間中に行いますので、仕事はほとんどありません。
多くの時間、ただ、机に座っているだけです。
起き上がっているだけでもシンドイのに、
何もしないでただ、椅子に座っている状態は、更に更に、シンドイものでした。
仕事があれば、まだ気が紛れますが、何もすることがないと、余計に体調不良が気になります。
「何で、こんなに苦しい思いをしないといけないのだろう」
という憤りの気持ちや、
「退屈だ、何かしたい」
という欲求や、
「こんなに具合が悪かったら、復帰なんてとても無理だ。
職場をクビになったら、どうやって食べていけば良いのだろう」
という不安など、
様々な思考が生じて、心も苦しくなっていきました。
ただ、肉体的苦痛を感じる
そこで、
「身体の感覚と思考を、分離するしかない!」
と強い決意を抱きました。
身体の感覚と、心は別物のはず。
身体は苦しくても、心を苦しめる必要はない。
心を苦しめる思考に、付き従わない。
そんな決意です。
もう、これ以上苦しみたくない。
今、やるしかない!
全身不随のカンポンさんだってできたんだ、私にだって、できるはずだ!
強い強い決意で、挑むことにしました。
心を苦しめない為に、思考であれこれ膨らませるのではなく、ただ、肉体的苦痛を感じることに、チャレンジしました。
- 身体が重い感覚
- 頭に痛みがある感覚
- めまいの感覚
- 呼吸が上手くできない感覚
こういった、肉体の感覚に、意識を向け続けました。
でもすぐに、
「あ~、シンドイなぁ」
という思考が生じます。
そうしたら、その思考を放っておいて、また、肉体の苦痛に意識を向けます。
完全に、ヴィパッサナー瞑想ですね。
私の周囲で皆さんが仕事をしている間、私はずっと、瞑想をし続けました。
続けていると、疲れたり、飽きたり、集中力が無くなって、観察が難しくなってきます。
そんな時は、決意を紙に書き続けました。
- 体調不良になど負けない
- この困難が、自分を強くしてくれる
- 逆境が、心を鍛えてくれる
自分を奮い立たせるような言葉を書き続け、
憤り、不満、不安等の思考が生じないように、生じてもすぐに手ばなせるように、励みました。
これを、毎日毎日、行いました。