35.長年の努力が、一気に花開く
カウンセラーとして活動し始めて数年は、朝から晩まで、仕事をしていました。
カウンセラーとしての仕事だけではありません。
自分の腕1本で食べていくためには、ビジネス的な作業も、とても多かったのです。
正直、瞑想をする余裕はあまりなく、やったりやらなかったり、という日々でした。
忙しさにかまけ、心身への観察が、疎かになっていきます。
そうすると、また以前のように、思考に巻き込まれて、苦しむことが増えました。
会社員では無いので、食べていくためには、いつも売上を気にしなけれななりません。
売上が下がると、「生活できないのでは無いか」という不安が、襲ってきて、巻き込まれることも、しばしば。
ある時、不安に対処できなくなり、
「もう一度、きとんと心を鍛えよう。
その為には、毎日、しっかり瞑想する必要がある。
仕事の時間を減らして、1日2~3時間、瞑想の時間を取ったって、良いはずだ!」
そう決心して、毎日、2~3時間、瞑想をすることにしました。
瞑想が上手くできる!
決心して瞑想を始めると、面白いように、集中して、心身の観察ができました。
身体の動き、心の動きに気づきを間に合わせることが、非常に容易だったのです。
瞑想を始めて、ちょうど10年が経っていましたが、
こんなに集中して、容易に瞑想ができたのは初めてで、少々驚きもありました。
それまでの10年。
理論的には、
「苦しみから解放されるために、瞑想は必須」
と理解していましたが、
実際に実践していても、今一つ、効果を感じ切れないでいました。
歩行瞑想や呼吸瞑想など、時間を取って行う「形ある瞑想」では、
集中力があまりなく、思考に巻き込まれることが多かったので、
むしろ、普段の生活で心身を観察しているほうが、効果を感じていました。
ですので、この時まで、「私は瞑想が下手で苦手だ」と思っていたのです。
それが、10年間の試行錯誤の結果が、一気に花開いたかのように、
「形ある瞑想」が非常に容易に行えるようになり、
集中力もつき、効果を強く実感できるようになったのです。
何事も、地道に努力し続ける大切さを、実感しましたね。