43.真理を体感する

 

私が体感した「5つのこと」は、何を意味するのか。

 

「5つのこと」とは、「真理(ダンマ)」です。

私は、真理を体感したのです。

 

真理とは、

「無常・苦・無我・縁起」

などを指します。

 

 

無  常

常ではないこと。変化するということ。

一切のもの(現象)は、生じては変化し、滅していく、安定が無いこと。

そのために、どれだけ「ああなって欲しい、こうなって欲しくない」と願っても、思い通りにならずに、「苦しみ」が生じる

 

  • 「楽しい」という感覚がずっと続いて欲しい、と思っても、消えていってしまう。
  • 「不安」という感情が生じて欲しくない、と思っても、生じてくる
    (でも、自然と消えていく)
  • 「老いたくない」と思っても、肉体が変化する
  • 「壊れて欲しくない」と思っても、スマホを床に落とせば、壊れる
  • 「ずっと愛して欲しい」と願っても、愛は冷める(変化する)

 

 

無 我

一切のもの(現象)は、無常であり変化するため、真の実体・固定化された自我は無く、「状態」に過ぎない。

だから、「ああなれ、こうなれ」とコントロールする主体が無い。

様々な要因が、生滅変化しながら依存しあう「流れ」でしかない。

 

 

縁 起

一切の現象が、始まりも終わりもなく、原因と結果という、因縁の流れとして循環している

 

 

私はよく、川の流れで説明します。

川は、一瞬たりとも、同じ状態を維持しません。

川には主体がありません。

 

だから、川に向かって、

「水の流れを止めろ。水温を上げろ。水の色を赤色にしろ」

と言ったところで、耳を傾ける主体、命令を聞く主体が無いから、その命令は聞き入れられません。

 

「水の流れが止まって欲しい、水温が上がって欲しい。赤色になって欲しい」

と願っても、その願いは絶対に叶いません。

 

つまり、欲を抱けば抱くほど、苦しみが生じるのです。

 

私達は、無常や無我を理解せず、欲を抱くことによって、いつもいつも、苦しんでいるのです。

  • 良い人間になりたい。人より秀でていたい
  • あの人に嫌われたくない
  • イキイキとした気持ちで生活したい
  • 病気になりたくない

 

でも、これは、全て叶わないのです。

一瞬、叶ったかのように感じる時もあるでしょう。

でも無常ですから、すぐに変化していってしまうのです。

 

テストで1番になって、人より良い成績を取れることもあるでしょう。
でも、別の時には、追い抜かされたりします。

 

今、病気でなくても、いつかは病気になります。

 

今、あの人に好かれていても、別の日に嫌われる可能性があるのです。

 

今、良い気分でも、30分後には、気分を害しているかもしれません。

 

逆に、今、怒りの感情が生じていても、誰かに褒められたら、気分は一変します。

 

全ては無常であり、無我。

思い通りにはならないし、一瞬たりとも、同じ状態ではいないのです。

 

「思い通りになって欲しい。この状態が続いて欲しい」

という欲によって、苦しみが生じるのです。

 

 

「5つのこと」が分かった時、

これらのことも、深く実感しました。

 

だから、

「欲を追いかける生き方は、もう止めだ。
欲を手ばなす生き方をするのだ」

と、強く思ったのです。

 

人生が、180度変わったような心境でした。

 

子供の頃から、答えを追い求めていた「真理」を、

体感することができたのです。

 

深い深い感動と、喜びを感じました。