36.未来なんて存在しない
かつてなく、思うように瞑想ができるようになって1週間後、こんなことがありました。
夜、身体の動きに気づきを間に合わせて、入浴していた時です。
身体を洗い終え、湯舟に入ろうとして、足裏が湯舟のお湯に触れた感覚を察知した瞬間、雷に打たれたように、
「今、この瞬間しかない。
この身体の感覚が全てだ。
未来なんて存在しない。
未来なんて、思考が生み出す幻だ」
と、体感しました。
まさに、智慧が生じた瞬間でしたね。
「そう思った」「そう感じた」「そう理解した」
というレベルの理解ではありません。
頭で、理屈で理解したのではなく、
事実を『体感』した
というものです。
「雪とは白く、冷たいもの」と、文章で知るのではなく、
見て、触って、「これが雪というものか!」と知るような感覚です。
その日から、セッションの予約を受けることが困難になりました。
「1週間後、予約をお願いします」
と言われても、
「いやいや、1週間後なんて存在しないよ。
今、この瞬間しかないんだから。
予約なんてできるわけが無い。」
と、予約を受けることが、困難になってしまったのです。
これでは、日常生活に支障が出てしまうと、
タイで出家された日本人のお坊さんに、ご相談しました。
すると、
「そのうち慣れるから、大丈夫」
と、アドバイス頂きました。
その言葉通り、本当に1週間で慣れて、
また、未来は存在しているかのように、感じるようになり、
予約を承ることができるようになりました。
でも、
「未来なんて存在しない。それは、思考が生みだした幻想」
ということは、ハッキリと理解したままです。
今、未来が存在するように感じるけれど、それが「錯覚」であることは、よく分かっていました。
だって、未来は存在しないことを、体感して、知ってしまったのですから。
これ以降、様々な智慧が、面白いように生じていくことになります。