65.最後に
ブッダの逸話の中で、とても感銘を受けた話があります。
ブッダは過去世において、スメーダという仙人だったそうです。
スメーダは、次のように考えました。
私のように完全な覚りに至る条件を備えた者は稀である。
残念なことに、ほとんどの者は、智慧から遠く、生・老・病・死の苦しみからの解放に導く法(真理)を、理解することができない。
今世で私自身が完全に苦しみから解放されたとしても、残された他の多くの生命は輪廻をさまよい続けるであろう。
私は、未来にブッダ(真理を伝える者)になるための修行を行い、他の生命を苦から救うための道を開かなければならない。
私は、自分が望めば、今日にでも全ての煩悩を滅尽するであろう。
しかし、ブッダとなる力を備えている私が、自分1人だけ輪廻の苦しみから解放されて、何になろうか。
私は未来に一切智慧を得てブッダとなり、神々と人間に、輪廻を超えた涅槃に向かうよう教えよう。
それ以降、無数の過去世で、ブッダとなるための修行を続けられたそうです。
「すべての生きとし生けるものを苦から救うためにブッダとなる」という偉大な決意のもと、
ある過去世では、他の生命の幸せの為に、自らの命を犠牲にすることもあったそうです。
そしてブッダになられた後も、45年にわたり、夜も昼も休むこととなく、教えを説き続けられました。
ブッダが入滅(死)される日に、ブッダの説法によって智慧を得て出家した人もいたそうです。
この話を、私は、仏教に縁ができて数年後に知り、とてもとても、感銘を受けました。
そして、私もそのように生きたいと、強く強く強く強く、想ったのです。
私は、まだまだ全然、智慧が足りません。
煩悩もたくさんあります。
でも、自分だけでなく、全ての生きとし生けるものが苦しみから解放されるように、いつか、尽力したいと思います。
その為に、私も、何度生まれ変わろうとも、修行を積み重ねたいと思っています。
生きとし生けるものが、苦しみから解放されますように・・・