51.抑うつ状態(無常・無我を受容する過程)
それまでの4か月ほど、智慧がつくたびに、
「分かった!」と、無邪気に喜んでいました。
でも、今は、「無常・無我」という事実が、重くのしかかってきたように感じて、
抑うつ状態になり、憂鬱感が強く生じました。
身体にも影響がでて、起き上がれなくなりました。
「自分は、たくさんのものに執着し、しがみついている。
それが苦しみだと分かっている。
でも、手ばなしたくない。諦めたくない」
そんな想いが生じていました。
ただ、どんなに抑うつ状態になろうと、憂鬱になろうと、
「無常・無我なんてイヤ!」と駄々をこねようが、
事実は変わりません。
事実は、「一切のものは、無常であり、無我」なのです。
私には、ただ、「無常・苦・無我」を観ることしかできない。
否、観ざるを得ない。
その現実を、突きつけられているようでした。
抑うつ状態も、憂鬱感も、ただ観察するしかありませんが、グチを言いたかった。
そこで、これまでお世話になっていたお坊さんに、少しメールしました。
すると、
「キューブラー・ロスの、死の受容過程のようだね」
と、アドバイスをして頂きました。
精神科医キューブラー・ロスが提唱した、
死を受容するまでの「5つの心理的段階」は、有名ですよね。
①死を否認する
(自分が死ぬわけが無い)
↓
②死に対する怒り
(なんで私が、死ななければならないのか!)
↓
③死から逃れられるよう、取引しようとする。
(良い人間になるから、死なせないで)
↓
④抑うつ状態になる
↓
⑤死を受容する
私の今の状態は、この④の段階、という訳です。
言い得て妙だなあ、と思いましたね。
無常や無我を、受容するまでに通る道。
まさに、その通りだなと思いました。
改めて、「グチを言っても仕方がない」と、ただ、あるがままを観察しようと、思いました。