61.おばあさんのように、ただ現象を眺める
「髪の毛1本、コントロールすることができない」
ことに絶望感が生じている時は、身体を動かす気力体力も、なかなか出ませんでした。
絶望感が数ヶ月続くと、その間は、肉体的にも相当辛い状態になります。
心も身体も、ただ、観察するだけ。
分かっていても、あまりにも大きな絶望感と、それに伴う肉体的苦痛に、巻き込まれてしまうこともありました。
そんなある日、またスティサート師とお話できる機会に恵まれました。
「グチっても仕方ないこと」と分かっていながらも、辛くて、ついつい、
「苦しいです」
と、グチってしまいました。
すると、スティサート師は、
「おばあさんに、なりなさい」
と、アドバイスを下さったのです。
ただ、全ての現象を眺める
人生を達観したおばあさんが、何が起こっても動揺せず、「そんなこともあるよね~」といった感じで、
ただ、全ての現象を、眺めていなさい、と。
これは、分かりやすくて面白い表現ですよね。
私は、縁側に座っているおばあさんを、イメージしました。
柔和なおばあさんが、縁側でお茶を飲んでくつろいでいる。
庭では、ヤンチャな子供たちが、いたずらしているかもしれない。
それを、包み込むように、眺めている。
また、時には、外が大嵐になるかもしれない。
大雪が降るかもしれない。
ポカポカ天気だろうが、大荒れの天気だろうが、変わらず、ただ、外を傍観する。
そのようなイメージで、心の動きも、肉体の感覚も、ただただ、傍観する。
庭におりて、子供たちを叱るのではなく、
嵐に巻き込まれるのではなく、
ただただ、距離を取って傍観する。
全ての現象を、放っておく。
そうすれば、心は苦しまず、安定したままです。
このアドバイスを頂いて、「グチってはいられないな」と、
縁側でくつろぐおばさんのように、リラックスを心がけながら、観察を続けました。
おばあさんの例えは、その後、セッションでクライアントさんにアドバイスする時に、活用させて頂いています。
「分かりやすい例えです!」
と、好評頂いていますね。
ぜひ、皆さんも、心の中に、
怒り・悲しみ・不安・楽しさ・嬉しさ、どんな感情が生じても、
身体の感覚が、楽でも不快でも、
ただただ、おばあさんのように、気づき、傍観してみて下さい。
庭に降りて、感情や肉体的感覚に、巻き込まれてしまわないように・・・