45.真理を人に伝える使命感

 

五戒を守らずにはいられなくなったことと、

もう1つ、大きな心境の変化がありました。

 

それは、

「私が知ったことを、人に伝えなければならない」

という、強い強い使命感が沸き上がったことです。

 

苦しみから解放される真理を、私1人だけのものにしては、いけない。

他の人々が苦しみから解放されるよう、伝えなければ。

その義務が、自分にはある。

 

その想いが、強く強く、生じました。

 

自分1人だけ楽になるなんて、あり得ない。

自分の人生は、自分の為だけにあるのではない。

他の生物の幸せに寄与しなければ、生きている意味など無い

 

そんな想いでした。

 

ただ、

伝えるにせよ、もっともっと、精進して、心を高めなければならない、

とも思いました。

 

「道に入った」

ということは、

「真理に触れるという、スタートラインに立った」

という事です。

 

ようやくスタートラインに立ったのだから、これからが本番。

 

これから、たくさん精進して、自分の苦しみを減らし、

そして、人に伝えられるよう、智慧をつけなければならない。

 

自分を救うためにも、人を救うためにも、これからの精進が大切だ。

 

心が引き締まり、修行への想いが、一層強くなりました。

 

 

伝えるのは、無駄では無いか?

一方で、

「伝えても、人の心には届くまい、無駄では無いか」

という想いも、強く生じました。

 

私が伝えるべきことは、

全ての現象は、無常であり無我だから、欲にしがみついたら、苦しみますよ

というこです。

 

「誰が、そんな話に耳を傾けるだろうか」

そう、思いました。

だって、世の人々は、欲に溺れて生きている。

「欲を抱くことは良いことだ」と思っている。

 

例えば、羽生結弦選手に、

「オリンピックで金メダルを取ることは、意味の無いことで、苦しみですよ」

 

大谷翔平選手に

「ホームランを打つことも、投手として三振を取ることも、相手にゲームで勝つことも、意味の無いことで、苦しみですよ」

 

と言っても、耳を貸さないでしょう。

 

カウンセリングをしていても、皆さん

  • 不安を感じたくない
  • 嫌われたくない
  • もっと自信を持てる自分になりたい
  • やりたいこと、やりがいを見つけたい
  • イキイキとして生きたい
  • 安定した生活を送りたい
  • 健康でいたい

などなど、欲だらけです。

 

「そういう欲が、苦しみを生み出すのですよ」

と言っても、誰も理解できないし、理解したいとすら思わないだろう。

 

だから、真理を伝えたところで、無駄ではないか。

 

そんな想いが、強く生じました。

 

結局、心が整理でき、真理を人に伝えようと思うまで、2年かかりました。