42.「道」に入る

 

「5つのこと」

が分かって1日くらいは、

「そこそこ大きな智慧が生じたな~」

くらいの、軽い気持ちでした。

 

でも、2~3日すると、

「あれ?これは、相当大きな経験かもしれないぞ」

と、じわじわ、重要度を理解し始めました。

 

そして、

「もしや、あの一瞬は、『道に入った』ときだったのではないか?」

と、思うようになりました。

 

「道」

とは、「涅槃に至る道」のことです。

全ての苦しみから解放される「涅槃」に続く道。

 

道に入る経験をすると、二度と、道に入る前の状態には戻らず、
いつか必ず、涅槃に至る。

 

学説的なことにほとんど興味が無く、知識が無かった私でも、ある程度知っていることでした。

 

自分の体験をネットで調べても、やはり「道に入った」可能性が高いことが分かります。

 

でも、信じられない想いでした。

今世で、「道に入る」など、考えもしなかったことでしたから。

 

道に入るのは、何度も何度も生まれ変わりながら、修行を続けた先、
何千年も何万年も先のことだと、根拠もなく、勝手に思いこんでいたのです。

 

今世では、ほんのほんの1歩でも、そこに近づければ御の字。

それくらいの感覚で、励んでいましたから。

 

それが、仏教と出会って10年足らずで体験するなんて、信じがたいことでした。

 

 

何度も何度も、あの一瞬を、自分が理解した内容を、反すうしてみました。

 

  • どこかで見聞した知識が、ふと表面化しただけではないか。
  • 頭で理解しているだけで、体感したわけでは、ないのかも。
  • 分かった「つもり」、理解した「つもり」なだけではないか。

 

でも、どうやっても、「分かっているし、理解している」のです。

明らかに、知識ではなく、「智慧」なのです。

 

それに、学説的なことに興味の無かった私は、「5つのこと」を、それ以前には、あまり見聞したことがありませんでした。

だから、知識として知っていたわけでも、無いのです。

どう反すうしても、自分の勘違いでは、無さそうなのです。

 

それでも、確信を持てなかった私は、「未来なんて存在しない」という智慧が生じた時に、ご相談したお坊さんに会いに行き、今回の体験を話しました。

「瞑想していると、そんなこともあるよね~」

くらいの、軽い返答がくるかな、とも思っていました。

 

でも、私の話を聞くうちに、そのお坊さんは、今まで見たことが無いほど、真剣な表情をされました。

そして、

「縁起を、学ぶと良いよ」

と、アドバイスを下さいました。

 

更に、帰路についた時、メールを頂きました。

「先ほど話してくれた内容を、もう一度、メールでも送って欲しい」と。

 

その反応で、やはり、道に入ったのだと、確信が持てました。