21.タイ「スカトー寺」での瞑想修行5
瞑想方法の違い
夜6時になると、朝と同様、読経&法話が行われ、
その後、日本人参加者数人で、1日の感想をシェアし合います。
ある時、私が、
「瞑想しながら、こんな内容の思考が出てきたので、観察したり考察した」
などと話した時、ある人がビックリされていました。
「瞑想中に考え事って、どういうこと?
身体の感覚に意識を向けるのが精一杯で、
考え事なんてできないでしょ?」
この言葉に、今度は私が驚きました。
私は、初めて瞑想をした時から、
生じてくる考えを観察したり、考察するということを、当たり前に行っていたので、
誰でも、普通にやっていることだと思っていました。
でも、その方の話では、
「手の動きや足の動きに意識を集中したら、
考え事なんて出てくる隙間が無いし、
そもそも、瞑想をしながら、思考を観察するとか、分析するってどういうこと?」
という事らしいのです。
その後、自分が、皆さんのサポートを行うようになって、
私のような瞑想方法が得意な方もいれば、
この方のような瞑想方法が得意の方もいることを知りますが、
この時は、自分とは瞑想の仕方が違う人と初めてお会いして、驚いたものです。
私の瞑想の方法は、
ヴィパッサナー瞑想(マインドフルネス瞑想)
であり、
この方の1点集中型瞑想は、
「サマタ瞑想」
だったのだと思います。
私は、サマタ瞑想も得意になりたくて、
その後、何年にも渡って、1点集中型の瞑想もかなり練習しましたが、
上達しませんでした。
一方で、ヴィパッサナー瞑想(マインドフルネス瞑想)は、どんどん上達していきました。
生まれ持って、得意不得意があると思われるので、
無理せず、まずは得意な方法で、始められるのが良いかなと思っています。
さて、シェアタイムが終わると、各自クティに戻り、就寝となります。
気が重くなりながら、お堂から、大きなクモが待つクティへ向かいます。
クティに入ったら、クモの方を見ず、
必死に呼吸に意識を向けて、何とか眠るようにしていました。
こうして、一日が終わっていきます。