33.人は、自分の力で変わっていく
産業カウンセラーの資格取得後、1年間は、カウンセリングの練習と勉強に費やしました。
近所に「カウンセリングをします!」とチラシを配り、無料でカウンセリングをさせて頂き、練習を積みました。
その間、ビジネスの勉強もして、カウンセラーとして開業する準備もしました。
体調不良のため、雇われて働くことはできず、自分のペースで働くしかなかったですからね。
1年後、カウンセラーとしての活動をスタートしました。
初めて本格的にカウンセリングをさせて頂いたご相談者さんのことは、しっかり覚えています。
1回目にカウンセリングにいらした際は、とても暗い表情で、自分を責め、生きることがとても苦しそうでした。
でも、自分を変えることに前向きで、カウンセリングでのアドバイスをどんどん実践され、あっという間に変わられたのです。
4回目のカウンセリングでは、満面の笑顔、キラキラした目で、
「自分の心が分かるって凄いですね。人生変わりました。
本当にありがとうございます」
と、嬉しそうに報告して下さいました。
そのクライアントさんとの出会いは、カウンセラーとしての活動に、大きな自信を与えてくれました。
でも、それから多くのご相談者さんとお会いしましたが、
全ての方が、最初のクライアントさんのように、すぐに成果が出るわけではありませんでした。
自分の力で変わっていく
カウンセリングを通して思うことは、人が変わっていくには、ご相談者さん自身の力が、最も重要だということです。
カウンセラー等のセラピストは、あくまで、「気づき・きっかけ」を与えることしかできません。
実践するのは、その方自身にしかできないのです。
ブッダですら、こう、おっしゃっています。
汝ら、当に努力すべし。如来は説者なり。
つまり、ブッダであっても、してやれることはない。
ブッダにできることは、苦しみから解放されるよう、真理を説く、伝えることだけ。
楽になるには、各人が自分の力で、努力しなければならない。
カウンセリングも一緒です。
私は、ご相談者さんが、何に執着して苦しんでいるのか、その原因と、
どうすれば苦しみが無くなるか、その解決方法が分かります。
だから、原因と解決方法をお伝えします。
でも、その解決方法をその人が実践しなければ、楽になることはできません。
私ができることは、苦しみの原因と解決方法を理解してもらえるよう、できるだけ分かりやすく伝え、
その後、努力して実践できるよう、励ますことだけです。
初めてのクライアントさんは、とても努力家でした。
だから、あっという間、それこそ2週間で劇的に変わり、元気になられました。
つまり、私の力で楽になったのではなく、その方自身の力で楽になったのです。
最初のクライアントさんのように、どんどん変わられる方に対して、私は大したことはしません。
少しのアドバイスを最大限に活かし、ご自身の力で変わられるからです。
でも、そういう方に限って、
「バイマーイさんのおかげで、こんなに楽になって、人生が変わりました!」
と、とても感謝を伝えてくださいます。
一方、楽になるまで、多くの時間がかかるご相談者さんもいます。
そういう方は、
顕在意識では
「変わりたい」
と思っているのですが、
無意識(潜在意識)では、
「変わりたくない、心を直視したくない」
と思っています。
ですから、すぐには変わっていきません。
自分の心と向き合えるようになるまで、時間が必要なのです。
向き合うことができるようになるまで、待つしかありません。