14.瞑想会やリトリート(瞑想合宿)への参加が力に
自分なりに瞑想を試行錯誤しているうちに、
この頃、一時的に体調不良が和らぎ、日常生活がだんだんと楽に行えるようになったことで、職場復帰ができるようになりました。
仕事以外の外出も、そこそこ可能になり、
テーラワーダ仏教関連の方に、コンタクトが取れる機会があれば、
積極的に会いに行って、お話しを伺ったり、
瞑想会に行ける体調の時は、
なるべく瞑想会に参加するようにしていました。
家では上手く瞑想が続かなくても、
こういった場に参加すると、瞑想も上手くいきます。
また、様々な方に出会うことで、
「自分だけが大変ではない、みんな頑張っているんだ」
と、力になりました。
特に、リトリート(瞑想合宿)
に参加すると、その期間は、集中して瞑想を行うことができます。
リトリート中は、必要が無い限り誰とも話しをせず、
朝から晩まで、ひたすら瞑想をします。
このようにリトリートの説明を書くと、
「これは大変だ、自分には無理だ!」
と思われるかもしれませんが、
「場の雰囲気」に影響されて、
ほとんどの方が、やりきることができます。
初めてのリトリートは、睡魔との闘い
初めてのリトリートへの参加は、
仏教に出会って数か月がたった頃で、
3泊4日の日程でした。
1日目、異常な睡魔に襲われます。
歩行瞑想をしていても、歩きながら睡魔で気を失ってしまうほどです。
そこで、1人、自室にこもり、壁に沿って歩きながら、瞑想をしました。
歩きながら寝てしまい、倒れかけても、壁が支えてくれるからです。
5-10分で、睡魔でフラフラになります。
何度も意識を失って、壁にガンガン激突して目が覚める状態です。
あまりの睡魔に、瞑想を続けるのは15分が限界で、
15分歩行瞑想したら、30分横になって眠る。
これを繰り返しました。
6-7回繰り返すと、この異常な睡魔は無くなり、連続して瞑想ができるようになりました。
眠気は「欲」
仏教では、眠気は、
「欲の1つ」
とされています。
私達は、本当に必要な量以上に、多くの美味しいものを食べていますよね。
こういった、不必要な食欲は、
「単なる快楽・欲」な訳ですが、
眠気も同じです。
本来、身体の健康を維持するための睡眠は、
それほど多くを必要としません。
売れっ子の芸能人が、
少ない睡眠量で働いていても、健康でいられますよね?
普段、私達は、身体に必要な量以上の睡眠を、
「単なる快楽・欲」によって取っているのです。
本来は、睡魔に打ち勝ち、「睡眠欲」を手ばなす必要があります。
ですから、ミャンマーやタイの厳しい僧院では、
横になって眠ることを禁じ、
坐ったまま、短時間の睡眠を取る修行も行われています。
瞑想をすると、それまで顕在化していなかった様々な「欲」が表面化していきます。
その欲を手ばなすことが修行になり、心が解放されていく、という訳です。
「眠気」も、手ばなすべき欲なのですね。
瞑想を始めると、皆さん、
この「睡眠欲」が課題になります。
だから、瞑想をすると、初めのうちは、誰でもとにかく眠くなる・笑
このリトリート中も、3日目くらいになると、
あちらこちらで、睡魔に襲われ、舟をこぐ人たちが、続出していました。
私の場合、リトリートに参加して、まず、
この「睡眠欲」が最初に顕在化した、
という訳です。
思考から離れる心地よさ
リトリート2日目になると、異常なほどの睡魔は現れなくなり、
長時間、瞑想を続けられるようになりました。
瞑想が続くようになると、
普段、思考だらけの生活をしているのと違い、
思考も欲も静まり、結果、心が落ち着きます。
食事の時間も、誰とも話さず、
身体の感覚に意識を向けながら、頂きます。
普段、いかに注意散漫で、心ここにあらずで
食事をしているかに気づけます。
リトリート中は、このように、
食事も、入浴も、歯磨きも、移動するための歩行も、
全てが瞑想なのです。
思考から離れ、身体に気づきを向けた3泊4日が終わると、
今まで感じたことが無いほど、
心がとても軽くなっていました。
いかに普段、思考や欲によって、心がザワついていたかが、よく体感できました。
その効果に驚き、リトリート後、上司に頼んで数日のお休みを頂き、
家でも引き続き数日、リトリートもどきを続けたほどです。
何回か参加したリトリートでは、
いつもこのように、高い満足感を得られました。