64.人々に真理を伝え始める

 

死は存在しない。
身体も心も止まることなく変化し続けていて、ある一瞬を「死」とか「誕生」と呼んでいるに過ぎない

 

ということを体感した頃から、

「自分の体験したこと、生じた智慧を、人に伝えていこう」

と、思うようになりました。

 

それまでは、「とても人に伝えられる智慧が無い」と感じていましたが、この経験によって、

「ある程度、自分は真理を伝えられる」

という自信が持てました。

 

ただ、「人は聞く耳を持つだろうか?」という疑問は、相変わらずありました。

「1人でも興味を持ってくれたら、御の字」くらいの気持ちで、クライアントさんに、徐々に徐々に、伝えていきました。

 

すると、少数ではありますが、関心を示してくれる人が現れました。

 

真理自体は理解できなくても、

「心理学よりも、仏教の真理のほうが学ぶべきことだ」

と思って下さる方が、出てきたのです。

 

カウンセリングの内容も、大きく変わるようになりました。

それまでは、勝手に

「どうせ、真理より、心理学的な手法の方が、クライアントさんは望んでいるだろう」

と思い込んで、心理療法でお茶を濁すようなカウンセリングも、少なくありませんでした。

 

でも、この頃から、

「相手が望もうが望むまいが、真実を伝える。
そうでなければ、相手が本当に苦しみから解放されることは、無いのだから」

と思うようになり、カウンセリングの内容が大きく変わりました。

 

すると、心理療法中心だった頃よりも、各段にカウンセリングの精度が高まったのです。

考えてみたら、当たり前ですよね。

真理とは、苦しみから解放される道ですから。

 

また、悩み相談だけでなく、真理や仏法を伝えるセッションや講座等も、行うようになり、

幅広い伝え方ができるようになってきました。

 

ようやく、人々の為に自分が果たすべき使命を、実行に移し始めることができた感覚でした。

 

スティサート師に、「伝えていきなさい」とアドバイス頂いてから、2年以上かかりました。

 

これからも、命ある限り、

より智慧が生じるよう、日々精進し、

自分が会得したことを、人々の為に、伝えることを、し続けたいと思います。