63章 人々に真理を伝え始める
死は存在しない。
身体も心も止まることなく変化し続けていて、
ある一瞬を「死」とか「誕生」と呼んでいるに過ぎない
このことを体感した頃から、
「自分の体験したこと、生じた智慧を、人に伝えていこう」
と、思うようになりました。
それまでは、
「とても人に伝えられる智慧が無い」と感じていましたが、この経験によって、
「ある程度、自分は真理を伝えられる」
という自信が持てました。
ただ、「人は聞く耳を持つだろうか?」という疑問は、相変わらずありました。
「1人でも興味を持ってくれたら、御の字」
くらいの気持ちで、クライアントさんに、徐々に徐々に、伝えていきました。
すると、少数ではありますが、関心を示してくれる人が現れました。
真理自体は理解できなくても、
「心理学よりも、仏教の真理のほうが学ぶべきことだ」
と思って下さる方が、出てきたのです。
セッショングの内容も、大きく変わるようになりました。
それまでは、勝手に
「どうせ、真理より、心理学的な手法の方が、クライアントさんは望んでいるだろう」
と思い込んで、心理療法でお茶を濁すようなセッションも、少なくありませんでした。
でも、この頃から、
「相手が望もうが望むまいが、真実を伝える。
そうでなければ、相手が本当に苦しみから解放されることは、無いのだから」
と思うようになり、セッションの内容が大きく変わりました。
すると、心理療法中心だった頃よりも、各段にセッションの精度が高まったのです。
考えてみたら、当たり前ですよね。
真理とは、苦しみから解放される道ですから。
また、悩み相談だけでなく、真理を伝える講座や瞑想会等も開催するようになり、
幅広い伝え方ができるようになってきました。
スティサート師に、「伝えていきなさい」とアドバイス頂いてから、2年以上かかりました。
